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在庫をじっくり眺めてみる。

ウィンターウェアのデザイン会社。製造は中国、独自のブランド名も確立し、そこそこ人気がありました。借金をするまでは販売も順調でした。

親や親戚からの借金は、ある時払いの催促なし、ですが、その無言のプレッシャーには大きなものがあります。

その緊張感の中で仕事をしていた時は好調でした。

でも銀行から借金ができるようになって、おかしくなりました。最初の借金は800万です。それがアッという間に5千万を超え、そのすべてが在庫として積み上がってしまいました。

もっとファンは増えるはずだ、ここで勝負して売上を倍にする、売れ残っても来季売れる、在庫はゴミだと言うけどそんなことはない。

でも、ファンは限られています。どんなにいいデザインでも、そのブランドを愛し、買ってくれる人の人数は決まっているようです。

数を増やしたことで縫製が乱雑になり、チェックと手直しの作業が増え、数を売っても返って割高になり、どんどん採算が悪化し、ブランドのイメージも落ちてしまいました。

また、売れ残りを1年間寝かせる倉庫代のことも社長の頭の中にはありませんでした。

今なら7掛けで処分できる、現金にすべきだ。倉庫代を払って1年後、7掛けで売れる保証はない。そういう話をしても聞いてはくれませんでした。なぜか行きつくところまでいかないとわかってもらえないようです。

 

趣味の月刊誌でも同じような経験をしました。売れる部数は決まっています。「5万部は必ず売れる、でも、何とか7万部にしたい、」その趣味人口をあと2万人増やすんだ、と毎回7万部刷って、無理やりファンを増やそうとしました。でも、結局5万部しか売れませんでした。

そこで部数を増やすのではなく、月刊誌のほかに隔月刊の特集本を出すことにし、その5万人のファンに確実に買ってもらう機会を増やす作戦に切り替えました。これなら確実な売上を確保できます。

100人買ってくれる人(ファン)がいるなら、99くらいで抑えて、「売切御礼」とし、プレミアムがつくくらいがちょうどいいのです。在庫を持たないことで不安が1つ確実に減ります。

100個仕入れたら100円/個、1,000個なら80円/個、この場合中小企業の仕入は100個です。売り方も丁寧になるし、そこそこの粗利が取れる方法を考え、在庫も残りません。倉庫代もかかりません。

次の100個は別の物で、と考えられるようになります。

1,000個売ろうとすると、薄利多売になります。売る為に販促費をかけ、売れ残りは金になりません。

100個くらいはどこかに消えてしまいます。20円のメリットはあっと言う間になくなります。

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